最近、「今後」について、問われることが多くなってきました。
取引先、友人、先輩、尊敬している企業家、そして親。曰く、「医師はやめるのか?企業家として生きていくのか?(Next Doctors’ Diary)
今月、注目の「NextDoctors」を立ち上げた起業家にして医師である、株式会社メディカル・オブリージュ石見さんの言だが、今までにない新しい生き方を選択したことが、周囲から胡乱な眼で見られているのか。
私の答えは、「両方」です。
但し、これは、医師も企業も中途半端にやる、という意味ではありません。医師であること、企業家であること、それは私の生き方を表すものでしょうか?私はそうは思いません、医師、企業家とも、それぞれの役職・職種を表しているに過ぎません。その人の生き方を表しているわけではないのです。(同上)
えらいっ!。だが、米国ではすでに「Entrepreneurial Physician」という言葉があり、石見さんのように起業家医師の道を選択する人はフツウに存在する。
Health2.0の理論家として有名なスコット・シュリーブ医師も、たしかオープンソースのEHR(Electric Health Records)事業を経営しているはずだ。また起業家医師をサポートするこんなサイトまである。
The Entrepreneurial MD
(Where physicians become thiriving entrepreneurs)
今回開催されたHealth2.0コンファレンスを見ても、起業家医師の参加者は多い。また、逆に起業家医師が存在することによって、Health2.0ムーブメントの存立が支えられているという側面があると思う。たとえばHealth2.0のコアとなる理論的フレームを作ったのはスコット・シュリーブ医師だと思うが、彼のような医師の存在がなければHealth2.0というものも、単なるマーケティング・バズワーズに終わっていただろう。
医師の参加は極めて重要であり、今後、石見さんを先頭として日本でも起業家医師が多数登場してくれることを期待したい。
石見さんのようなパイオニアに「先行者の悲哀」を味わわせるとは、日本とはとんでもない社会だと思う。しかし、世界に目を広げるなら、石見さんのような新しい意識を持った医療者はたくさん登場しているのだ。
三宅 啓 INITIATIVE INC.