連休の過ごし方


大型連休進行中。

当方、今年のゴールデンウィークは「仕事しながら休む」という変則的なスタイル。連休谷間も仕事に出たが、朝の電車など結構出勤する人が多かった。

先月の月末、細野さんの話題の新作“Hosonova”が出た。当然、早速CD屋に走り、買って聞いてみたが、すごくいい。何というか、ちょうど今の、つまり3.11以降の時代の気分に、どことなくぴったり合っているような気がする。どこにも「がんばれ!」などという力んだ言葉はないのだが、脱力したこの感じが実に気分いい。33年前の「Paraiso」から、そのまんま時空を越えて届けられたような楽曲もあるのだが、耳を澄ませばあちこちに、この30年間の試行の跡がうかがえる。待望された肉声のPOPSということでは「Paraiso」以来の作品。

その作品群の中でも一番チャーミングな曲「悲しみのラッキースター」。ビデオが公開されたのでご紹介してみた。マン・レイみたいな、どこかシュールレアリスムな映像を想起させる。だがこのCDは、表面上は穏やかな表情を持ちながらも、同時に怖い顔を持ち、玄妙な味わいの曲があるのが興味深いところ。たとえば4曲目の「ローズマリー、ティートゥリー」の次の一節。

It’s a good day to die.

楽しく、滋味深く、リラックスできて、心優しい、そして何か心に説明不能な淡々とした悲哀と違和感が残る。そんな素敵で極上の楽曲群。毎日、聞いていたい。

そんなことを考えながらTOBYOプロジェクトは進む。ますます面白くなっていく。このまま進むだけ。

ぎこちなくこのまま、死ぬまで生きるだけ。 (“Walker’s Blues”)

三宅 啓  INITIATIVE INC.