3月10日付けNewYorkTimes は、Walmartがこの春からEHR市場に本格参入し、価格破壊を医療IT市場に持ち込むと伝えている。これは、オバマ政権が医療IT化刺激策として総額19億ドルのインセンティブを投じることに照準を合わせたものだ。米国医療のIT化は、特に小規模診療所では遅々として進んでいない。その理由として、高い導入コストと操作の複雑化を医師が嫌ってのことだと言われてきた。昨年実施された調査によれば、米国でEMR/EHRなどを医療現場で使用している医師はわずかに17%である。
WalmartはDellとEMR/EHRベンダであるeClinicalWorksと組み、低コストで高機能なシステムの供給をめざしている。価格だが、従来ベンダが提示していた価格のおよそ半額以下になるという。「われわれは”high-volume, low-cost”の企業である。その精神が、医療業界では悲しいまでに欠落している」と、Walmart医療事業開発部門のシニアディレクターであるマーカス・オズボーン氏は述べている。Walmartはこれまでリテールクリニックやコンビニ薬局など医療分野に着々と参入してきたが、とうとう医療機関や医療者を直接顧客とする市場へ進出することになる。 続きを読む